| 高速分子進化のための基盤技術の開発 配列空間適応歩行技術の展開
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| Abstract 進化分子工学におけるダーウィン進化とは、配列空間における適応度(例えばアプタマーの場合、結合反応のΔG)の山を登ることである。これにより巨大な配列空間(134bpのDNAの配列の種類は1080で、これは宇宙の全原子数に相当する)を全数調査しなくてすむ可能性がでてくる。 山の地形の統計的性質がわかっていると盲目の登山者でも合理的な山登りができる。これを適応歩行技術という。具体的には逐次の淘汰に対する逐次の突然変異体ライブラリーを地形の性質に合わせて作製するのである。次の2つの分子の進化を例題として、適応歩行技術を改良する。 (1)ペディオシン(抗菌ペプチド)の抗菌スペクトルの改変:配列空間適応歩行技術を利用して、ペディオシンの進化工学実験を行い、抗菌活性が上昇した改良体の取得を目指す。 (2)アルデヒド還元酵素の耐熱化:DNAシャフリング法の発展型である偏向変異集積(BMA)法をアルデヒド還元酵素の耐熱化に適用する。BMA法一般のための1次ライブラリー作成法の改良を行う。また、実験室内分子進化の理論を発展させる。 | | | |