| 高輝度光ビームによる薄膜形成技術に関する研究 レーザ誘起光化学反応を用いた選択薄膜成長技術の開発 (H15) レーザ誘起光化学反応を用いた低温薄膜成長技術の開発(H16, H17)
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| 太田 泰雄1), 南保 幸男2), 山本 あき勇3) |
| 1) 福井工業高等専門学校 2) 日華化学(株) 3) 福井大学工学部 |
| Abstract NH3の光分解を利用した窒化物、特に、成長温度が低温での窒化インジウム(InN)の有機金属気相薄膜成長(MOCVD)技術を開発することを目的として研究を実施した。 室温(25℃)から100℃、200℃、300℃、400℃までの低温条件でInN膜を形成させて、成長膜の組成、構造、光学的特性との相関について検討した。その結果として、室温という極めて低温から均一性に優れた薄膜が形成できることを実証して、これまでは困難とされていたInNのレーザ援用MOCVD成長法を世界で初めて実現した。特に200℃以下の低温成長膜では非結晶体であるアモルファス形状を示し、また組成上、酸素が混入し易く、結果としてInNOxが形成されることを明らかにした。 更に、この材料を電極セル装置に組み込み、センサー素子材料、簡易計測装置としての検討をしたがその応答性、精密性、耐久性は残念ながら従来の白金、金電極には及ばなかった。 次にIn/Ga合金、N/O(窒化/酸化物)混晶薄膜を作成して、その特異的な機能探索をしたがInにGaを混合する合金では応答変化が少なかったが、窒素/酸素の混晶では特異的な活性を示した。 その中で実用性のある薄膜として低温成長InNOxが紫外線照射下で環境汚染物質(アンモニア、硫化水素、染料)を分解して環境浄化をもたらすことを発見した。特に、硫化水素ガス(H2S)の分解・脱臭・無害化について高性能な光触媒活性を有することを世界で初めて発見した。 | | | |