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平成12年度事業開始
福井県 「光ビームによる機能性材料加工創成技術開発」
  131-132
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高輝度光ビームによる薄膜形成技術に関する開発
有機金属原料およびV族元素水素化物原料の光化学反応過程に関する基礎的検討 (フェーズI)
有機金属原料およびV族元素水素化物原料の光化学反応過程に関する研究 (フェーズII)

太田 泰雄1), 山本 あき勇2), 橋本 明弘2), 高山 勝己1)
1) 福井工業高等専門学校
2) 福井大学工学部
Abstract  NH3が波長200nm以下の紫外光に対して100-1000/cm・atmという大きな吸収係数を有することに着目して、NH3の光分解を利用した窒化物、特に、成長温度が比較的低い窒化インジウム(InN)の有機金属気相薄膜成長(MOCVD)技術を開発することを目的として研究を実施した。特に、ArFエキシマレーザ(波長193nm)を用い、NH3及びトリメチルインジウム(TMI: In(CH3)3)の光分解過程を検討し、InN膜の高品質化および低温成長、選択成長の可能性を追求した。その結果、NH3の効率的な光分解によって、NH3の使用量が従来の熱分解MOCVD法の1/50〜1/100に低減できること、室温という極めて低温から均一性に優れた薄膜が形成できること、さらに、レーザ光をパターン化して照射することにより選択成長が可能であることを実証し、これまでは困難とされていたInNのレーザ援用MOCVD成長法を世界で初めて実現した。
さらに、本成長技術の特徴である低温成長に着目して、InN膜の形成条件と成長膜の組成、構造、光学的特性との相関について検討した結果、低温成長膜には酸素が混入し易く、結果としてInNOxが形成されることを明らかにし、さらに、そのようなInNOxが紫外線照射下でH2Sの分解脱臭などの光触媒活性を有することを世界で初めて発見した。

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