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平成12年度事業開始
静岡県 「超高密度フォトン産業基盤技術開発(別冊)」
  293-313
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超高密度フォトン利用実証レーザーシステムの開発
超高密度フォトン反応制御技術の開発
応用のための計測・制御技術の開発
波長域拡大技術の開発

青島 紳一郎1), 黒柳 和良1), 藤本 正俊1), 高橋 宏典1)
1) 光科学技術研究振興財団
Abstract  [フェーズI]
再生増幅パルス光を光源とするTHz波発生用測定系を構築し、大口径GaAsアンテナ、BNA、DAST、ZnTe等からのTHz波放射の実験をおこなった。大口径アンテナでは、従来に比べ、ピーク電界強度235倍(光強度換算55,000倍)の高輝度化が達成できた。また、DAST結晶から5THzまでの発生を確認した。DAST結晶では、高輝度のTHz波が得られる条件を解析し、入射光の偏光により、放射されるTHz波の強度やスペクトルの制御が可能であることを見出した。さらに、有機結晶のBNA結晶は無機結晶のZnTeやGaPより高輝度のTHz波を放射できることを明らかにした。THz波計測において、短時間でスペクトルが得られる周波数ドメイン分光(FDS)を導入し、2秒毎にデータが得られた。X線発生では、真空環境実験装置を整備して、アルミニウム金属およびマイラー(ポリエステル)フィルムに高密度レーザー光を集光照射してパルスX線発生を試みた。検出器として、電離箱式サーベイメーターを用いてX線発生の検出をおこない、ハードX線が発生していることを確認した。
[フェーズII]
中間評価の結果を踏まえTHz波に集中して平成15年度終了まで研究を実施した。高輝度THz波発生が有望な結晶としてBNA結晶を取り上げ、非線形光学テンソル成分、THz波領域の複素屈折率等の基礎特性を計測し、BNA結晶は、屈折率が小さく、THz波を効率良く取り出せることを明らかにした。また、プローブ光透過型測定系を構築し、従来の反射型測定系と同程度のS/Nを得た。さらに、入射光を波形整形してTHz波を放射し、THz波のスペクトル制御をおこなった。以上、THz波の適用範囲を拡大するための高輝度化・高機能化の検討をおこなった。

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