| | | | | 目的:ヒト脳の単一神経細胞で発現している遺伝子は、細胞ごとに異なっていると考えられる。そこで脳機能と直接結びついているイオンチャンネルの遺伝子を系統的·網羅的に調べてカタログを作成した上で、単一神経細胞レベルでこれを調べることを一つの目的とする。すなわち神経細胞の「個性」の解明である。さらに、神経細胞の病態を明らかにするためにCAGリピート病あるいはパーキンソン病を対象として単一神経細胞レベルでの病態を明らかにすることを第二の目的とする。すなわち神経細胞の「運命」の解明である。 方法:単一神経細胞のレーザーによるダイセクション法を開発する。さらに微量のサンプルによる超微量RT-PCR法を開発する。また、共通塩基配列あるいはESTを利用してNa+, K+, Ca++, Cl-の各イオンチャンネルについて、新しいチャンネルの発見を目指す。さらに、これらのヒト脳のカタログを作成し、発現量を定量する。最後に単一神経細胞での発現パタンを調べる。一方、CAGリピート病については、ハンチントン病やDRPLA を対象として単一神経細胞レベルでの異常遺伝子の発現を調べて細胞脱落の選択性のメカニズムを検討する。また核内封入体の病態への関与についても検討する。 | | | |