| | | | | 本研究の目的は将来に予想されるメソスコピック素子時代に遭遇するコヒーレントな固体内電子波を微細解像する基盤観測技術をこれに先駆けて開発し、また、その途上技術を用いて超伝導体中でのコヒーレンシーの観測を行うことによりその有効性を実証することにある。位相と振幅という不確定性原理により同時に精密決定できない量である両者を、微細精密に解像するための手段として、位相観測のための電子線干渉顕微鏡と振幅観測のための原子位置指定トンネル分光(AST)装置開発を目指している。具体的には、電子線干渉顕微鏡については従来の3倍の加速電圧を有する1MV型の開発を推進し、AST分光装置は分解能の限界を目指して、極低温—超高真空—強磁場下での観測を可能とする。一方、それらに並行して、物質開発面では、より高温でも高い臨界電流性能を示す材料開発を進めるとともに、その指針となる基本法則を導こうとするものである。 | | | |