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戦略的基礎研究推進事業 平成7年度採択研究課題 研究終了報告  57-63
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「左右軸の位置情報の伝達·確立の分子機構」
濱田 博司1)
1) 大阪大学細胞生体工学センター
体が正しく作られるための設計図の最も基本になるのは、三つの体軸(頭尾、背腹、左右)の決定である。脊椎動物は、心臓·脾臓·胃など多くの左右非対称な臓器を有するが、これは胚発生の過程でどのような機構(分子)で決定されているのか? 左右軸決定の機構は、発生学の領域において未だ殆ど手を付けられていない問題であり、数年前までその分子機構は全く不明であった。我々は最近、leftyと呼ぶ胚の左側半分のみで発現される新規TGFβ superfamily を同定した(Meno et al. 1996)。様々な点からLeftyは左右軸の決定で中心的役割を果たすMorphogenであると予想され、左右軸を決定している遺伝子プログラムを解明するための絶好の突破口となると予想された。本研究では、leftyを突破口として、左右の位置情報の伝達·確立機構を分子レベルで明らかにしようとした。具体的な研究目標は以下の通りである。
1)遺伝学的手法によって、左右軸決定におけるleftyの役割を調べる。2)Leftyの持つ誘導活性·作用機構を解析する。3)Lefty蛋白質に対する受容体を同定し、位置情報の伝達機構を解析する。4)lefty遺伝子自身の発現制御領域を解析し、左右非対称な発現をもたらす機構を決定する。

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