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戦略的基礎研究推進事業 平成7年度採択研究課題 研究終了報告  19-30
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「細胞増殖の制御機構」
岸本 健雄1)
1) 東京工業大学大学院生命理工学研究科
細胞増殖の制御は、生物の存立の基礎であり、細胞外からの情報の細胞内でのシグナル伝達と細胞周期制御との連携に基づいている。本研究では、シグナル伝達機構と細胞周期制御機構の研究が、従来、それぞれにおいては目覚ましい進展をみせているにもかかわらず互いに独立してなされてきたことに着目し、両分野の研究を統一して細胞増殖制御の分子機構について一貫した理解を得ることをめざした。この目的を達成するために、シグナル伝達機構の方からその下流の細胞周期制御をめざすアプローチと、逆に細胞周期制御機構の方からその上流のシグナル伝達をめざすアプローチとの両方向から研究を進めた。解析の手掛りは、シグナル伝達に関しては重点をGTP結合タンパク質(ヘテロ3量体GTP結合タンパク質と単量体低分子量GTP結合タンパク質)の機能に置く一方、細胞周期制御に関しては全真核細胞に共通した細胞周期進行の基幹因子であるサイクリン·CDK(cyclin-dependent kinase)複合体群に置いた。実験系としてはヒトデ·カエル等の卵細胞と哺乳動物由来の培養体細胞とを併用し、シグナル伝達と細胞周期制御の接点を現実の生物現象との対応において追求した。

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