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戦略的基礎研究推進事業 平成7年度採択研究課題 研究終了報告  151-165
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植物の感染防御機構の生物有機化学的解明
岩村 俶1)
1) 京都大学大学院農学研究科
植物は有害微生物および植食性昆虫の攻撃に対して、抗菌活性物質や摂食忌避活性物質をもって備えている。それらは便宜的に大きく構成的防御物質(constitutive or preformed defense substances)と誘導的防御物質(inductive defense substances)に分けられている。しかし、植物の物質的防御機構は、このような従来の概念の枠を越えてきわめて複雑多岐にわたることが近年急速に明らかになりつつある。構成的防御物質にも動的な様相が、誘導的防御物質にも構成的な様態がうかがわれ、しかもそれは器官や生育ステージにより異なり、また環境によっても異なる。本研究では、(1)天然物有機化学ならびに生物有機化学的な手法を駆使して、新たな防御機構、防御物質とその動態、すなわち植物の物質的防御機構の多様性を解明し、(2)これらの成果に基づいて応用展望に結びつく研究を酵素化学および分子生物学的手法をも駆使して行うことを目標とした。具体的な対象は穀類植物、果実、野生植物で、これは従来の研究の主流が双子葉植物を中心にモデル研究的に行われてきたのと対照をなす。

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