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第2回公開シンポジウム予稿集 「脳を創る」  2-3
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自律行動単位の力学的結合による脳型情報処理機械の開発
中村 仁彦1)
1) 東京大学大学院 情報理工学系研究科
ヒューマノイドにおける情報処理機構開発のため, 以下の3点を中心に研究を実施した。
1)ヒューマノイドの行動設計のための人間行動計測環境の開発
人間の形態的身体運動パターンを実データとしてヒューマノイドの行動設計を行うこと, またこれを用いて行動理解や行動生成システムを実現することが自律行動単位の生成に必要である。そのために「ビヘービアキャプチャーシステム」と呼ばれる全身行動の計測環境を完成させた。このシステムは, 視線検出, 瞳孔径計測, 脳波·筋電計測をも同時実時間で行うことが出来るため, 人間の注意のモデルや認知系の研究に計測データを供給することが出来る。
2)ヒューマノイドの情報処理力学系と身体力学系の計算理論
情報処理力学系を非線形力学現象として設計する方法を検討している。この中で平成12年度には複数のアーノルド方程式系のシステムを結合し, 同期や引込現象を解析し, それを用いる情報処理について考察した。また, 複雑な多自由度リンク系としての人間やヒューマノイドの動力学を高速に計算するアルゴリズムを開発し, その並列処理について研究した。
3)ヒューマノイドの他者行動理解と自己行動生成の同一性理論
いわゆる「ものまね(ミメシス)」において, この人間および大型霊長類のコミュニケーションや情報処理の基礎と考えられている能力が, 他者行動理解と自己行動生成からなることから, これらの間には密接な関連があり同一の情報処理系を構成しているのではないかという仮説を立てた。これに基づいて隠れマルコフモデルやニューラルネットワークを用いた情報処理について研究を行った。

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