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第4回領域シンポジウム予稿集 環境低負荷型の社会システム Social Systems for Better Environment Performance  31-36
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アイソトポマーの計測による環境物質の起源推定
吉田 尚弘1)
1) 東京工業大学大学院総合理工学研究科
アイソトポマーとは分子内に同位体を含む分子種であり、元素や分子内位置の組合せにより、例えば温室効果気体分子には10種程度のアイソトポマーが存在し、対称性の低い分子や高分子ほど指数関数的に多種存在する。それぞれの同位体は、同じ元素であれば化学的挙動がほぼ同じであるため、元素内トレーサーとして、その環境物質の質的情報、即ち、.起源物質はどのような自然物質あるいは人間活動起源物質であるか、.どのような過程·環境で生成されたか、.生成後にどのように変質したか、.どのような過程·環境で消滅しているのか、といった複雑な履歴を記録している。これまでは、混合物あるいは分子の全体について、単一元素の同位体比を計測·解析するのが一般的であった。
本研究では、アイソトポマーの自然存在度という環境物質の起源に関する質的情報を定量的に読みとる新しいコンセプトの物質解析法を提案した。このために、新たな質量分析法とレーザー分光法の2つの計測法を開発し、解析法を創出した。このようにして確立された分子レベルのアイソトポマー解析の評価法を地球温暖化ガスに適用し、その物質のサイクルを正確に記述するための基礎としてまず必要な地球規模での自然起源の生成·消滅メカニズムの同定とそれらの寄与について定量的解析を行い、現象解明を行った。

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