| 家畜排せつ物の低温ガス化技術の開発 低温ガス化実証運転
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| 宝田 恭之1), Xiao Xianbin2), Meng Xianliang2), Hanny Johanes Berchmans2), 小川 由起子2), 長沢 弥生2), 志賀 聖一1), 荒木 幹也1), 尾崎 純一1), 松井 雅義1), 渡邉 純一3), 松下 勝典3) |
| 1) 群馬大学 2) (財) 群馬県産業支援機構 3) 鈴木商工 (株) |
| Abstract 【運転関係】 家畜の排せつ物を約600℃で熱処理することによって、水素やメタンなどのクリーンなガスを生成する技術を確立した。低温ガス化のために、常温ではタール化する重質系の熱分解物を前述の軽質のガスに高効率に変換するニッケル系の触媒を開発し、低品位な褐炭にニッケルを担持させる製造方法を確立した。1 kg / 時、5 kg / 時の処理能力を備える内部循環型流動床ガス化装置を用いて連続運転を行い、運転条件の最適化を図るとともに、生成するガス成分の制御も可能とした。低温ガス化技術のカギを握る触媒に関しては、触媒の長寿命化、触媒再生、助触媒等について検討した。さらに、生成されたガスを用いてガスエンジンを問題なく運転することができた。このように、エネルギー密度が低い畜産バイオマスを原料として、低温でガス化を行うことで効率良くエネルギーに転換することができた。 【再生触媒を用いたガス化実験】 バイオマスの低温ガス化の実用化を図るためには、タールを効率良く分解・改質することが可能である触媒の寿命評価と劣化対策が重要である。ガス化プロセスは、バイオマスの熱分解、そして生成タールのNiを主成分とする触媒を用いた改質反応からなる。このとき、熱分解時に副生するタールにより、Ni触媒の表面に炭素が析出し、触媒活性が低下する。そこで、安価でかつ長寿命の触媒系の開発が重要な課題となる。 本研究の目的は、上記要件を満たす触媒系を開発するため、低温ガス化反応で生成するタールからの炭素析出挙動を詳細に検討し、そして、それを踏まえた触媒系の提案を行うことにある。具体的には、 (1) 低温ガス化における析出炭素源の解明、 (2) 助触媒によるニッケル/アルミナ触媒の炭素析出耐性付与、 (3) カーボン担体によるニッケルの耐炭素析出抑制効果付与を実施することで、安価かつ長寿命の低温ガス化用触媒開発の方向性を与えることを行った。 | | | |