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平成14年度事業開始
埼玉県 「高速分子進化による高機能バイオ分子の創出」
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高速分子進化のための基盤技術の開発
マイクロリアクターアレイ進化リアクターの開発

西垣 功一1), Manish Biyani2), Madhu Biyani2), 辻 幸香2), 鈴木 雅恵2), 三井 隆広2), 一木 隆範3), 根本 直人4), Mohammed Naimuddin4), 大滝 真作4), 林 仲信5), 四方 正光6)
1) 埼玉大学大学院理工学研究科
2) (財)埼玉県中小企業振興公社
3) 東京大学大学院工学系研究科
4) ジェナシス(株)
5) ジーンワールド(株)
6) (株)島津製作所
Abstract  タンパク質やペプチドは自己複製できないので、それらの進化のためには、自己複製できる核酸分子でできた遺伝子と対応づける必要がある。これを遺伝子型·表現型対応付けの問題という。天然進化でも、進化分子工学でも、この対応付けの方式には、ウイルス型、細胞型、外部知性型の3種がある。ウイルス型は遺伝子型分子と表現型分子を単に結合して対応づける方式であり、例えば、リボソーム上で何らかのリンカーを介して新生蛋白にmRNAを結合させればよい。細胞型は遺伝子型分子と表現型分子を一つのコンパートメントに囲う方式である。ウイルス型対応付け技術は単一の機能を進化させることに適しており、現在のところ、タンパク質の親和性を高めるケースがほとんどである。これに対し、細胞型の対応付け技術はコンパートメント内システム全体の最適化に適しており、有用酵素の触媒機能を最適化することに好都合である。本研究では従来技術のような生細胞を用いずに人工的なコンパートメント化を達成し、単一タンパク質を進化させる上で有利なin vitro virus(IVV)法(mRNA提示法とも言う)を組み合わせることで、in vitroで酵素の高速進化を行うハイスループットシステムを開発する。

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