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平成14年度事業開始
三重県 「閉鎖性海域における環境創生プロジェクト」
  112-113
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新しい里海の創生
里海の物質循環
環境調和型養殖技術の開発
高生残系統アコヤガイの作出

前川 行幸1), 古丸 明1), 石川 卓2), 岡本 ちひろ2)
1) 三重大学大学院生物資源学研究科
2) (財)三重県産業支援センター
Abstract  アコヤガイの高生残系統を作出するための基礎知見を得るため、閉殻力と生理的特性の関係を調査し、夏季高水温時にへい死しない系統作出するための選抜指標を確立した。すなわち、消化管の細胞分裂頻度は、日本産アコヤガイでは高水温期に顕著に低下したが、中国産ではそれほどの低下が見られなかった。細胞分裂頻度は消化管の細胞活性を評価する良い指標であることが明らかになった。本研究では、閉殻力の測定方法を確立し、軟体部のグリコゲン含量や軟体部重量との相関があることを明らかにした。さらに、閉殻力の強い個体は生残率が高く、真珠の分泌量も優れている事が明らかになった。また、閉殻力は系統間で異なることや閉殻力の強い親からは閉殻力の強い子供が産まれたことから、閉殻力が遺伝することを明らかにしたことで選抜指標としての有用性を示した。最後に栄養代謝に着目することで新たな生理活性指標を探索し、衰弱のメカニズムを明らかにするための基礎的な知見を得た。

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