| 食用植物資源の新規利用法および加工技術の開発 ツバキに含まれる抗アレルギー・抗炎症成分の利用開発 ツバキ類の抗アレルギー・抗炎症作用 —活性試験による分布測定—
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| 津波 和代1), 廣瀬(安元) 美奈1), 津覇 恵子1), 久場 恵美2), 直木 秀夫1), 安元 健1) |
| 1) 沖縄県地域結集型共同研究事業 2) 琉球大学医学部保健学科 |
| Abstract 【背景】我が国のアレルギー疾患率は約30%に達し、大きな社会問題である。最も多いI型アレルギー(代表例は花粉症)は、肥満細胞の「脱顆粒」が契機となって発症するので、抗脱顆粒成分はアレルギーの抑制につながる。我々は、沖縄産ツバキの葉に脱顆粒を強く抑制する成分(=抗アレルギー成分)を発見しオキカメリアシド(OCS)と命名した。OCS以外の成分も含めた総合的な活性評価は機器分析では不可能なので、脱顆粒阻害活性試験を用いて各種試料の活性を評価した 【目的】脱顆粒阻害活性をツバキの産地、種類、部位ごとに測定し、利用開発の基礎的資料とした。 【結果】オキカメリアシドの活性は医薬品のフマル酸ケトチフェンを1万2千倍上回り、共存する近縁4成分も強力であった。ツバキ産地間での顕著な差異はなく、部位ごとの測定では実、実殻(乾燥)にも葉と同等の活性が検出された。キンカチャの活性はツバキより強く、タイワンツバキ、ヒメサザンカも顕著な活性を示した。ツバキと同属のチャ(茶)やサザンカは、抗脱顆粒活性を示さなかった。ツバキ、サザンカ、茶では、シクロオキシゲナーゼ(COX-2)阻害が見られ、脱顆粒以外の抗炎症作用が推定された。 | | | |