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平成13年度事業開始
千葉県 「ゲノム情報を基本とした次世代先端技術開発」
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DNA・抗体マイクロアレイの作製技術開発及びその作製・評価
免疫細胞の機能分化に関わる遺伝子並びに遺伝子産物の解析1

細川 裕之1), 桑原 誠1), 三木 多香子1), 古閑 比佐志1), 中山 俊憲2)
1) (財)千葉県産業振興センター
2) 千葉大学大学院 医学研究院 免疫発生学
Abstract  CD4陽性ヘルパーT(Th)細胞は、産生するサイトカインの違いによって二つのサブセットに分類することができる。Th1細胞は主にIFN・を産生し、Th2細胞はIL-4、IL-5、IL-13を産生する。Th1細胞は細胞性免疫を誘導し、細胞内寄生細菌の排除に重要であるのに対し、Th2細胞は液性免疫を誘導して細胞外寄生細菌などの免疫応答を担うことがわかっている。Th1細胞とTh2細胞は互いにバランスを取りながら生体防御機構における中心的な役割を演じていると考えられている。しかし一方では、感染症や自己免疫疾患、アレルギーなどの免疫関連疾患において、Th1/Th2バランスの偏りが認められており、それがこれらの疾患の発症や病態形成に大きく関わっていることが推測されている。このことから、Th1/Th2バランスを制御する事は、様々な疾患の新たな治療戦略の開発につながると考えられる。私たちはこれまで、いくつかの転写因子に注目しTh2細胞の分化誘導機構について解析を行ってきた。本研究ではその経験を生かして、Th1細胞、Th2細胞分化を制御しうる分子をレトロウイルスによる遺伝子導入系を用いて効率的に探索し、機能解析を行うとともに応用研究に役立てる事を目的とした。

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