TOP > 巻一覧 > 目次一覧 > 書誌事項


平成13年度事業開始
長崎県 「ミクロ海洋生物による海洋環境保全・生物生産に関する技術開発」
  99-100
[PDF (26K)


ミクロ海洋生物の生理機能の探索と応用
難分解性生体高分子分解能を持つミクロ海洋生物の探索と応用
寒天溶解性細菌の分離とその機能応用

児玉 靖司1), 鈴木 啓司1), 竹下 哲史2), 中島 琢自3)
1) 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科
2) 長崎大学地域共同研究センター
3) 長崎県産業振興財団
Abstract  寒天は、D-galactoseと3, 6-anhydro-L-galactoseとが交互に直鎖状に結合した多糖類であり、難分解性高分子化合物である。海藻由来寒天は、その難分解性ゆえに食物繊維として以外の利用は限られていた。そこで本プロジェクトは、海藻のより高度な利用と寒天の新たな食品利用の可能性を探る目的で、寒天を分解する活性を保持するミクロ海洋生物をスクリーニングした。現在保有している16,000株に及ぶミクロ海洋生物ライブラリーをスクリーニングした結果、海洋性細菌5,764株から673株 (11.7%)、海洋性低温 (4℃) 細菌358株から8株 (2.2%)、また海洋性放線菌1,254株から20株 (1.6%) の陽性菌が得られた。分解物である寒天オリゴ糖は、抗がん、抗酸化、抗炎症作用などの様々な生理作用が期待されるものである。一方、新たな難分解性高分子化合物の分解活性をスクリーニングするために、木材の難分解性高分子化合物であるリグニンをターゲットとしたスクリーニング系を開発し、確立した。

[PDF (26K)

Copyright (c) 2007 独立行政法人 科学技術振興機構