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平成12年度事業開始
神戸市 「再生医療にかかる総合的技術基盤開発」
  144-150
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CPC(細胞培養センター)を利用した血液・血管の再生研究
閉鎖系・無菌細胞洗浄システムの構築

伊藤 仁也1), 井田 卓見2), 相澤 猛2)
1) (財)先端医療振興財団
2) ヘモネティクスジャパン(株)
Abstract  細胞を用いる細胞医療(再生医療)の基本整備の1つに細胞プロセシング過程での細胞の品質管理、安全な細胞操作法の確立が挙げられる。
細胞プロセシングには、細胞増幅に用いた培養液や薬剤(サイトカイン等)の洗浄操作があり、従来法では遠心チューブに細胞懸濁液を分注し、洗浄液を添加して遠心をかけ、上澄みを除去する操作を2回以上繰り返して洗浄してきた。この様な処理方法は開放系の操作となるため、微生物が混入するリスクを排除できない。また、複数の遠心チューブを処理することから他の細胞が混入する可能性も排除できない。
本研究では、この様な開放系で行われていたこれまでの細胞プロセシング過程内にACP215を導入し、培養バッグの細胞懸濁液と処理回路を無菌接続して処理する完全閉鎖型自動洗浄システムを開発し、その導入検討を行った。
その結果、ACP215を用いて製造された細胞製剤の性状及び機能は、洗浄前と比較し同等であること、培養に添加された薬剤は、99%以上除去できることが判明した。この細胞プロセシングの工程はGMPに準拠した処理が可能であることが確認された。

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