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平成12年度事業開始
神戸市 「再生医療にかかる総合的技術基盤開発」
  139-143
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CPC(細胞培養センター)を利用した血液・血管の再生研究
トランスレーショナルリサーチに向けた細胞療法の基盤整備

中畑 龍俊1), 前川 平1), 伊藤 仁也1), 田中 宏和1), 小林 典孝1), 鈴木 秀文1), 初山 麻子1), 丸山 京子1), 高田 のぞみ1), 鹿村 真之1)
1) (財)先端医療振興財団
Abstract  ヒト造血幹細胞のex vivo増幅は移植医療のみならず、遺伝子治療や血液細胞の製造などの再生医療にも貢献すると考えられる。我が国の臍帯血移植数は2400例を突破したが、依然生着不全などの合併症の頻度が高いのが現状である。移植の成功には輸注総細胞数よりもCD34陽性細胞などより未分化な細胞をできるだけ多く移植することが、生着率のみならず生存率にまで寄与することが明らかとなってきた。採取できる臍帯血量が限られる臍帯血移植に造血幹細胞増幅技術を応用することは理にかなった方法である。このように細胞を体外で加工するセルプロセッシングはGTP(Good tissue practice)に基づいて行わなければならず、基礎研究でのベンチ技術をそのまま臨床研究に用いる細胞プロセシングに移行する試みは大変な時間と労力を有する。当研究グループでは臍帯血に含まれるCD34陽性細胞をサイトカインでex vivoに増幅し、免疫不全マウス中でヒト血液細胞を再構築できる能力が4.3倍優れていることを証明した。この基礎研究の成果を臍帯血移植に応用するため、地域結集共同研究事業において、GTPに基づいた細胞製造法の開発、増幅、加工された臍帯血の安全性、効果の評価、そしてセルプロセッシングセンターに代表される細胞治療製剤の作業環境の整備をテーマにトランスレーショナルリサーチを行っている。

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