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平成11年度事業開始
愛知県・名古屋市 「循環型環境都市構築のための基盤技術開発」
  pp.121-122
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都市−里山循環系における環境創出手法の開発
多目的用の森林観測システムの開発

朴 昊澤1)
1) (財)科学技術交流財団
Abstract  森林は様々な種類の樹木が群植している空間である。同一種にしても幹や枝の形態が異なり、さらに葉量も違うため森林毎に特有の空間構造を表している。このような複雑な林分構造は、一次的に森林の光及び水分環境に影響し、その森林特有の気象及び生態環境を作り出す。一方、森林内で行われている水文・生態学的プロセスは森林周辺域とも相互作用を行っているため、地域環境形成にも大きく影響する。このように森林構造の役割の重要性に対する認識から森林構造を定量化する研究が数多く行われていたが、いまだに満足すべき観測技術や機器が確立されていない状況である。例えば、森林流域内の立木密度の測定は人手に頼る非効率的な方法から得られている。葉量は葉を直接蒸し取る方法、木を切って破壊的に測る方法、及び高価の機械を用いて測る方法などがある。破壊的方法は正確な葉量が得られるが、観測の継続性が得られない。一方、LAI-2000などのような機器は簡便であるが、高価であり、葉量以外の情報は得られない弱点がある。また、樹木の胸高直径や成長量の測定もほとんど人力に依存している状況である。このような現実を考慮した時、森林構造に関する様々な情報提供ができる機器や技術を開発する必要がある。

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