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平成11年度事業開始
愛知県・名古屋市 「循環型環境都市構築のための基盤技術開発(別冊)」
  pp.550-559
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地域物質フローモデル・都市エネルギー最適利用モデルの構築
片山 裕規1)
1) (財)科学技術交流財団
Abstract  地域社会を持続的に発展させていくためには、資源・エネルギーを有効利用する技術や制度の導入拡大が急務となっている。その一つとして、都市の一般廃棄物をマテリアルリサイクルまたはサーマルリサイクルによって再利用することが行われている。これらのリサイクルを導入する場合には、地域の規模や構成、環境性や経済性などの様々な要因を考慮し、ベストミックスを実現していくことが重要である。マテリアルリサイクル技術の場合、技術的には省エネルギー性などは地域に依存しないが、その導入可能性、すなわちリサイクル製品の需要は地域によって異なる。一方、サーマルリサイクル技術の場合、特に熱供給を行う場合には、省エネルギー効果やCO2排出削減効果は地域の需要構成や密度によって大きく異なる。マテリアル・サーマルリサイクル技術のベストミックスを実現するためには、このような地域の特徴を考慮することが重要である。本研究では、任意のエリアや市区町村単位を対象として、一次エネルギー削減やCO2排出削減等の観点から、地域に適したマテリアル・サーマルリサイクル技術のベストミックスを簡易的に算定するためのツールの構築を行った。本ツールは、各種のマテリアル・サーマルリサイクル技術に関するデータベース、メッシュ統計情報に基づく地域データベースを備え、地域の一般廃棄物の排出量と内訳、エネルギー需要の構成と密度に応じて最適なリサイクル技術の選択を行うことができる。本ツールでは、検討対象地域として、1)愛知県内の任意の10km×10kmのエリア、2)市区町村に加えて、3)仮想都市を選択できる。検討対象地域における各種の需要データに関しては、一般公開されているメッシュ統計情報等に基づいているため、国内の様々な地域にも適用可能である。したがって、本ツールは、自治体や地方団体が一般廃棄物のマテリアル・サーマルリサイクルを検討する初期の段階で、各種技術の適用効果を概算するような利用において有効と考えられる。また、本ツールによって様々な地域におけるサーマルリサイクルの効果を明らかにすることにより、マテリアルリサイクル技術を導入していくための技術開発目標の設定を行うことができる。

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