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平成11年度事業開始
愛知県・名古屋市 「循環型環境都市構築のための基盤技術開発(別冊)」
  pp.395-420
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里山(都市近郊林)流域圏における生態系機能のモデル化に関する技術開発
田中 庸央1), 中村 建次1), 佐野 方昴1), 青山 幹1), 森谷 昭1), 服部 嘉治1), 川崎 邦博1), 西沢 きみ子1), 岡田 登1), 大沼 淳一1), 高田 文子1), 酒井 祥亘1), 山野内 隆英1), 伊藤 賢次1), 吉田 恭司1), 坂井田 稔1), 鈴井 恵美子1), 岩田 杉夫1), 小川 敏幸1), 丹羽 智子1)
1) 愛知県環境調査センター
Abstract  多様な環境問題が取り上げられる中で、近年のキーワードのひとつに水系の「流域管理」があげられている。これは水循環を森林、農地、都市、沿岸域といった集水域というスケールでとらえ、持続可能な良好な水環境を管理しようとするものである。流域の視点から水循環を考える場合、我が国で重要な場を占めるのは森林と水田と都市であり、河川はこれを連ねる生態軸として水源地域から内湾に至る物質輸送系としての役割を果たしている。最近、新たな地球環境問題として注目されている大気経由の窒素負荷の増加に伴う森林生態系の窒素飽和(Nitrogen saturation)、ダム湖、ゴルフ場、宅地開発などの大規模開発に伴う河川から海域へのケイ素補給の減少(シリカ欠損)、大都市域におけるヒートアイランド現象などは、都市域からの人間活動由来の物質が森林域へ輸送される過程で森林内外で化学的変質をもたらしたり、逆に森林域からこうした物質が都市域に輸送されることにより、最終受水域である湖沼や内湾における食物連鎖構造に対して生態系変質をもたらす可能性が指摘されている。このように、都市と森林は物質の流れを介して有機的に繋がっており、流域がもともと有していた様々な環境緩和機能の低下に関わる環境変化ついて、森林、農地、都市、沿岸域の生態系を統合する視点からの集水域研究に熱い視線が向けられている。

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