| | | | Abstract (1) 都市ごみ焼却飛灰自身の高い塩基性を利用することで、少量の水による洗浄操作のもと、大量の可溶性形態の鉛を短時間に溶出(除去)させることが可能であることを明らかにした。そして液固比10、振とう時間5分間の水洗操作を3回繰り返すことで、都市ごみ焼却飛灰が含有する可溶性の化学形態の鉛の大半に加え、水熱反応を阻害する可溶性塩類(主にカルシウム、ナトリウム、カリウムなどの塩化物)を除去できることを示した。 (2) 洗浄処理後の飛灰残渣は依然高い塩基性を示していたことから、飛灰残渣の反応性を高めることを目的としてシリカを多く含んでいる建設汚泥を配合し、水熱処理した。その結果、固化体の曲げ強度は、飛灰残渣あるいは建設汚泥のみの固化体よりも高く、廃棄物配合率90%(建設汚泥40%、飛灰残渣50%)で実用強度(5Mpa以上)を有していた。さらに、XRD測定の結果から、トバモライト生成が強度の発現に大きく寄与していると予想された。 (3) また、飛灰残渣自身は環境庁告示13号試験の鉛の基準値を満足していなかったが、建設汚泥を配合して作製した水熱固化体は、飛灰残渣の配合率が75%に至るまで環境庁告示46号試験をクリアしており、強い鉛の溶出抑制作用が確認された。 | | | |