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平成11年度事業開始
愛知県・名古屋市 「循環型環境都市構築のための基盤技術開発(別冊)」
  pp.214-224
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難分解性物質の微生物処理
青山 渉1), 片桐 誠之1), 桜井 定人2), 高橋 鉱次2), 奥田 英史2), 伊藤 清治2), 丹羽 淳2), 梶田 勉2)
1) (財)科学技術交流財団
2) 名古屋市工業研究所
Abstract  廃水の高度処理、循環再利用システムを構築するためには、廃水に含有されている有機物および栄養塩類を高度に除去する技術が求められるが、従来技術の活性汚泥法では要求される水質を満たすことは難しく、難分解性の有機物が処理水中に残留し、着色の原因となるなどといった問題がある。また、ディスポーザーが導入された場合、廃水の有機汚濁物の増加につながり、抗菌作用を有する物質が微生物の働きを阻害するなどのケースが予想され、特殊な廃水処理技術が必要となる。本研究では、生活系廃水中の難分解性有機物を微生物によって分解除去する方法について検討するとともに、より負荷の大きいディスポーザー廃水を含む廃水についても対応可能な高度廃水処理技術の開発を行った。生活系廃水に含まれる難分解性物質については、生物活性炭法を応用した処理法を検討し、短時間のうちに効率的に分解除去するシステムを開発した。ディスポーザー廃水に関しては、ディスポーザー廃水に多量に含まれるポリフェノール類に着目し、ポリフェノール類分解能に優れた微生物を探索・選定し、モデル廃液による処理能力評価、実廃液への適用を行った。これらの成果をもとにリアクター化などを行い、ポリフェノール分解菌を担持した廃水処理バイオリアクターを開発した。なお、本研究開発技術は、「ハイブリッド型リアクター」による処理を施した後の第二処理工程で用い、廃水の脱色および残留する有機物の高度除去を行い、その処理水は第三処理工程の「精密濾過・分離膜技術」へ送られ、さらに高度な処理を行うシステムとなる。

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