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平成11年度事業開始
岐阜県 「知的センシング技術に基づく実環境情報処理技術開発 〜人とコンピュータのインターフェイスを大きく高度化させる研究〜」
  pp.42-43
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人の注視方向の検出技術
顔向き推定に関する研究

本郷 仁志1), 安本 護1), 輿水 大和2), 安藤 道則3), 金川 誠4)
1) 財団法人ソフトピアジャパン
2) 中京大学
3) 株式会社豊田中央研究所
4) 三洋電機株式会社
Abstract  実環境における人物の注目方向推定や個人識別、顔の向きを利用したインタフェースにおいて、人物はカメラに対して常に正面を向いているとは限らない。そのため、カメラに撮影された顔画像の向きを推定する手法の確立が重要である。モデルベースの顔向き推定手法では、初期キャリブレーションが必要であり、モデルの成立する顔向き範囲にも制限がある。位置固定のカメラに対して、複数の利用者が様々な位置に出現するような環境におけるインタフェースでは、初期キャリブレーションを省略可能なアピアランスベースの手法が有効である。また、実環境においては、自分自身や他人、家具等によるオクルージョンが問題となる。オクルージョンに対しては、多様な方向から画像を取得するマルチカメラによるアプローチが有効と考えられる。そこで、本研究では、複数方向の顔画像から抽出した四方向面特徴を用いて、人物によらない顔向き推定手法を研究する。また、複数のカメラで異なる方向から画像を取得し、各カメラの識別器出力を統合するマルチカメラ協調手法の検討を行う。さらに、顔向き推定手法を利用した顔向きに依らない人物識別の実験を行う。フェーズIでは、カメラに対する人物の相対的な顔向きを推定する技術開発を行った。顔向きは、人物の大まかな注視方向を反映していると考えられるため、高い精度を必要としない簡易的な視線推定手法として活用できる。このような視線推定技術を車載カメラから得られた画像に応用することで、自動車ドライバの運転技術や運転技術の解析等に対する活用が考えられる。また、広告媒体にカメラを取り付けることによって、提示広告に対する注目情報の取得に応用することも考えられる。フェーズIIでは、顔向き推定技術を活用した正面顔判定とステレオ視を組み合せることで、広告媒体に対する注目度を計測するシステムを試作し、評価を行った。

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