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平成11年度事業開始
岐阜県 「知的センシング技術に基づく実環境情報処理技術開発 〜人とコンピュータのインターフェイスを大きく高度化させる研究〜(IV 成果報告編)」
  pp.245-255
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手位置推定に関する研究
渡辺 博己1), ジャン・クリストフ・ テリヨン1)
1) 財団法人ソフトピアジャパン
Abstract  人間の動作情報は、その人の意図や状況を推定するのに必要な情報の1つで、特に手の動きは、ユーザの意図を直感的に伝達することができる有効な手段である。手の動作における重要な要素には、形状、姿勢、位置等がある。その中で、我々は、手の位置を推定する技術について開発する。手の位置を推定することで人物の意図を推定することができる動作の1つにポインティングジェスチャがある。ポインティングジェスチャは、手の動きによる日常的な動作の1つであり、ユーザの関心領域を相手に伝えるためには欠かせない動作である。すでにポインティングジェスチャを対象とした研究がいくつか見受けられるが、これらは、ポインティング方向が限定された領域を対象として行われているため、その領域内のオブジェクトしか扱うことができない。そこで、我々は、室内空間でどの方向でもポインティングジェスチャを検出できるシステムの構築を目指す。ポインティングジェスチャでは、顔と手、対象物が直線上に並ぶと考えられる。つまり、顔と手の位置を推定すれば、ポインティング方向の推定が可能であると考えられる。そこで本研究では、顔と手の位置を推定し、ポインティング方向を推定する手法を開発した。その結果、水平方向で平均誤差3.30°、分散8.08、垂直方向で平均誤差2.20°、分散4.06という結果が得られた。さらに、ポインティングジェスチャでは目と指先を結んだ直線方向に対象物が存在すると仮定し、目と指先の位置からポインティング方向を推定する手法についても開発した。その結果、水平方向で平均誤差1.04°、分散1.75、垂直方向で平均誤差0.89°、分散1.24という結果が得られ、顔と手の位置を推定する手法よりも精度の高いポインティング方向推定が可能であることが分かった。

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