| | | | Abstract 近年、光波を用いた生体センシングの研究開発は米欧各国および日本国内で盛んに行われている。光センシングは非侵襲で安全(脱アイソトープ、脱放射線)、高精度化、高分解能化が可能であるほか、分光測定による物質の同定や定量分析の潜在能力を備えている。特に分光による機能イメージングの実現は、病患の実態の診断に大きく貢献すると期待される。しかし、生体組織のような複雑なミクロン構造からなる物質では、多重散乱などの影響で透過光も反射光も乱雑な波面となり、これまでX線CT(computed tomography)のように断層像を可視化できなかった。このような難題に向けて、広帯域光源の低コヒーレンス性を利用して、生体内部の情報を超音波エコーと同様に可視化できる技術としてoptical coherence tomography (OCT)が開発された。その原理は山形大学の丹野教授らにより1990年に考案され、また、1991年マサチューセッツ工科大学(MIT)のFujimotoらによって画像化が実現された。以来、OCTの研究はめざましい進展を遂げ、眼科学の臨床診断のみならず、消化器や循環器の内視鏡的断層画像診断にも応用されるようになっている | | | |