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平成10年度事業開始
山形県 「遺伝子工学と生命活動センシングの複合技術による食材と生物材料の創生」
  pp.146-152
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果実成熟関与遺伝子発現を抑制した組換え体の作出とその評価
松田 成美1), 黒田 潤1), 西村 幸一1), 高 マイ2), 村山 秀樹3)
1) 山形県立園芸試験場
2) 山形企業振興公社
3) 山形大学農学部
Abstract  山形県の特産果樹である西洋ナシは,全国の60%以上が山形県で生産されている。なかでも,‘ ラ·フランス’ は独特な香りと滑らかな肉質が消費者から高く評価され,生産量と消費量ともに増加している品種である。西洋ナシは,樹上で完熟せず,収穫後に追熟を必要とする果実であるが,いったん可食状態に達した果実は,その日持ちがきわめて悪く,このことが西洋ナシの消費拡大のネックになっている。
これまでの研究により,西洋ナシなどのクライマクテリック型果実では,追熟中に果実の成熟や老化に密接に関わっている植物ホルモンのエチレンが生成され,その働きにより,成熟と軟化が進行すると考えられている。このことから,西洋ナシ果実の日持ちを向上させるためには,収穫後のエチレン生成に関わる遺伝子と果実の軟化に関わる遺伝子の発現を抑制することが有効であると考えられる。そこで本研究では,遺伝子導入により西洋ナシ果実の成熟過程を制御し,日持ち性の良い西洋ナシを作出することを目指した。

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