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平成9年度事業開始
福岡県 「新光・電子デバイス技術基盤の確立 −新光・電子デバイスの開発による計測・制御・情報技術の創成−(別添)」
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超高密度光メモリデバイス材料の開発
高耐久性有機光応答材料の開発

福岡県工業技術センター 化学繊維研究所
Abstract  高度情報化社会において記録媒体の高密度化、大容量化、高速化が求められており、従来の記録方式に変わる光による記録方式および新しい材料の出現が期待されている。光記録方式のためのデバイスとして有機光応答分子が注目されているが、熱安定性、繰り返し耐久性が低いことから実用化に至っていなかった。しかし、有機光記録媒体のなかでもジアリールエテン構造をもつものについては、熱安定性、繰り返し耐久性が優れているため、デバイスとしての将来性は有望である。ただし、今までこの光応答分子を薄膜化する際にはポリマーや溶媒に分散させており、光応答分子が全体に占める割合が小さいことに起因する低い光応答効率が課題となっている。1)したがって、単一成分で固体薄膜状態を形成し、その状態において光応答可能な分子材料を設計・構築することにより、光応答の高効率化が実現可能になると考えられる。この条件に対し、単結晶薄膜が理想的であるが、実際にはほとんどの光応答性分子材料が多結晶膜しか形成できず、結晶粒界が生じるため不均一で不透明な薄膜しか得られていない。一方、マクロで均一なアモルファス薄膜は、比較的作製が容易で、かつ光異性化に必要な自由体積の確保が可能であるため、より有用な薄膜となることが推定される。そこで本研究では、単一成分でアモルファス薄膜を形成できるジアリールエテン誘導体の調製を目的として、分子設計を行うとともに、得られた誘導体について解析を行った。

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