| 集積型可変波長レーザーの開発 有機薄膜を用いた分布帰還集積型可変波長レーザーの開発
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| 九州大学, (株)正興電機製作所, (財)福岡県産業・科学技術振興財団 |
| Abstract 従来より、有機レーザー色素は可変波長レーザーの媒質として、色素溶液の形で盛んに研究・利用されている。しかしながら、こうした液体レーザーは色素交換作業に手間がかかるため、有機プラスチックやガラスなどのアモルファスのマトリクスに色素をドープした固体色素レーザーの研究開発も行われている。色素レーザーは色素の交換でもっとも広い波長をカバーできるが、固体色素レーザー開発には以下のような深刻な問題がある。レーザー結晶を使う他の固体レーザーではレーザー結晶の交換の必要性がないが、有機色素には耐性寿命があり、繰り返しの利用では交換が必要となる。 固体ではレーザー共振器を構成する上でレーザー媒質の光学研磨が必要となり、色素交換の必要性からレーザー固体の均一性も必要になる。これより循環系の液体型レーザーよりコスト高となる。 しかし、薄膜化して光導波路化することで、こうした問題の解決が期待できる。本テーマでは薄膜化が容易な有機レーザー色素と高分子マトリクスを用い、薄膜化後の集積化技術の開発や集積型レーザーの性能向上も目的とした。有機色素をプラスチック封入したレーザーは従来から研究開発されているが、本研究ではスピンコート技術を用いてレーザー媒質を薄膜化し、この薄膜をベースに集積型可変波長レーザーの集積化技術について研究する。フェーズIに於ける本研究の目標は、まず有機色素レーザーの固体色素薄膜を実際に作製し、導波型レーザーとして発振させて特性を得ることである。主な目標を示す。プラスチック等でレーザー色素国体薄膜を作製し、さらにそれを導波路化する。 色素フィルムをレーザー励起することでレーザー発振させる。導波路化することでレーザー発振エネルギーの低しきい値化(1mJ以下)を目指す。さらにスペクトル幅を0.1〜0.2nm程度に狭帯域化する。 | | | |