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第1回公開シンポジウム予稿集「資源環境・エネルギーミニマム型システム技術」  41-45
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リチウム電池におけるイオン移動
小久見 善八1)
1) 京都大学
高性能リチウム二次電池は約10年前に開発されて以来ポータブル電子機器の電源として不可欠のものとなり、その進歩はめざましい。従来の二次電池に対するイメージを塗り替えるような高いエネルギー密度が期待されるこのリチウム二次電池は、環境·資源の問題の解決にも大きな期待がもたれている。化石燃料の総合エネルギー利用効率を向上することによって資源消費と環境負荷の飛躍的低減を目指した電気自動車やハイブリッド車の駆動源として二次電池は不可欠であり、また、高性能電池を用いる電力貯蔵による電力負荷平準はエネルギー変換効率の上昇が期待される。これらの用途のためには二次電池の大型化と更なる高性能化が必要であり、大型·高性能のリチウム二次電池の開発を目指して、世界中で官民をあげて鎬を削る状況にある。
現在実用化されているリウチム二次電池は炭素材料を負極に用いるリチウムイオン電池であり、今後も大型高性能電池の中では主流となると予想され、その発展が期待されている。リチウム二次電池に関する研究·開発は、大学、研究機関による新規材料の探索と企業による製造技術の改善による高性能化がこれまで中心となってきており、その反応を中心に据えた研究は少ない。リチウムイオン電池の更なる高性能化のためには、その反応の正確な把握が不可欠であり、本研究ではリチウムイオン電池の充放電反応の本質でありながら全く見過ごされてきた界面リチウムイオン移動に着目し、界面イオン移動のダイナミクスの解明によるリチウムイオン二次電池の飛躍的進歩に資することを目的としている。

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