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第1回公開シンポジウム予稿集「資源環境・エネルギーミニマム型システム技術」  25-29
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低エネルギー生体高分子の構造形成
馬越 淳1)
1) 農業生物資源研究所
地球が35億年かけて作り出した貴重な資源、エネルギーは急激な人口の増加により枯渇化が予想される。さらに、我々は莫大なエネルギーで化石燃料から合成高分子を作り、その生産システムと生産物は放出される多量の炭酸ガスによって地球環境を悪化させ、地球の温暖化を促進している。
一方、植物、動物、微生物など生物はエネルギーを極めて有効に利用し、常温で生体高分子を作っている。植物は太陽エネルギーをもととして、水、二酸化炭素と無機物でセルロースやデンプンなどを作り、動物は植物を摂取、または植物を摂取した動物を食べ、コラーゲン、羊毛、シルクなどのタンパク質を作っている。これら、生物は優れた方法で生体高分子を作っている。
プロジェクトの主な提案課題は、カイコ、ハチ、チョウ、カワゲラなどの昆虫と、節足動物のクモが常温で繊維を作ることに注目し、特にカイコが行っている低エネルギー生体高分子の繊維構造形成について研究を行った。カイコは桑葉を食べ、絹タンパク質を合成し、メゾフェーズ(中間相)を制御し、カイコ体内の紡糸管を通し、繭繊維を作っている1)。カイコが行っている低エネルギー構造形成を解明し、構築することは地球環境を守るために、非常に重要である。

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