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第2回領域シンポジウム 地球変動のメカニズム 要旨集  31-40
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熱帯林の林冠における生態圏-気圏相互作用のメカニズムの解明
中静(浅野) 透1)
1) 総合地球環境学研究所
熱帯林は, 高い生物多様性と生物生産性に支えられ, 大気との間に複雑で活性の高い相互作用をもっている。近年、エルニーニョ南方振動と熱帯樹木の一斉開花·結実, あるいは異常乾燥による樹木の一斉枯死とその後の更新などのように, 地球規模の環境変動が熱帯林生態系の維持に大きな影響を持つ可能性が指摘されている。一方では、環境変動を原因とする攪乱 によって, 熱帯林の炭素·水収支が大きく時間的·空間的に変動し, その結果が大気へフィードバックされる。
このような生態圏と気圏の相互作用の多くは, 両者の境界層としての林冠における生態プロセスに支配されている。しかし, これまで有効な林冠アクセスシステムや広域の生態プロセスを把握する手法が開発されなかったため, 因果関係やメカニズムの解明が進まず, 地球科学と生態学のギャップとして残されてきた。この研究では, 林冠クレーンシステムによる3次元的なプロセス解明と, メソスケールでの気象と生物現象の解析を結合することにより, とくに1)エルニーニョ南方振動(ENSO)など地球規模の環境変動が熱帯樹木の一斉開花および生態系に及ぼす影響、および2)地球規模の環境変動と熱帯林の炭素·水収支の時間的·空間的変動の解明をめざす。具体的には以下の通りである。

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