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第2回領域シンポジウム 地球変動のメカニズム 要旨集  11-21
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大気-陸域相互作用のモデル化と衛星観測手法の開発
小池 俊雄1)
1) 東京大学大学院工学系研究科
陸面-大気相互作用が気候の季節進行や年々変動に大きな影響を与えていることは、大気大循環モデル(GCM)を用いた数値実験や衛星観測データの解析から明らかにされており、より包括的で普遍的な陸面での水·エネルギーの鉛直輸送スキームを大気大循環モデル(GCM)に導入する試みが提案されている。ここで問題となるのが、2つのスケールでの陸面の多様性である。一つはグリッドスケール内での陸面の多様性であり、他方は大陸スケールでの多様性である。これらの2つのスケールの陸面での多様性が大気-陸面相互作用に与える影響を定量的に理解し、多様性を考慮した普遍的な鉛直輸送スキームを開発するには、多様な大陸上にグリッドスケールの強化観測領域を複数設定し、それぞれの観測領域においてその領域の特徴的な気候条件下で、地表面水文状態、フラックス、大気状態の空間分布を様々な空間スケールで計測して、そのプロセスを把握する。空間分布の実態把握の手法としては、衛星リモートセンシングデータが不可欠であり、本研究では、2000年代始めに打ち上げられる、多様なセンサを搭載した種々の地球観測衛星を用いた包括的な観測システムの確立を目指す。次にそれぞれの領域での空間平均化手法を取り込んだ鉛直輸送スキームを開発し、それらを異なる気候条件下で相互に比較することによって、包括的で普遍的なスキームを開発し検証する。

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