| キノン配位子を有する二核ルテニウム-オキソ錯体による酸化反応
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| | | | 次世代のエネルギー源として期待されている有機化合物を燃料とする燃料電池の実現には、その半反応である有機化合物の酸化反応を低電位で行うことが必要である。酸化触媒として遷移金属-オキソ錯体が考えられるが、オキソ錯体の酸素源として酸素分子を用いると有機化合物の酸化反応であるにも関わらず反応系全体は還元反応となるため燃料電池の半反応になり得ない。それに対し、遷移金属上に配位した水分子からのプロトン解離によって生成する遷移金属-オキソ錯体による酸化反応は、全体として酸化となるため半反応として好ましい。我々は、キノン配位子を有するルテニウム-アクア錯体のプロトン解離により生成したオキソ-セミキノン錯体のオキソ配位子上に不対電子が誘起されることを明らかにした。本研究では、この様なプロトン解離によって生じた、向かい合わせの構造を有する二核ルテニウム-オキソ錯体(図1.)の酸化還元挙動と酸化反応に対する触媒活性について検討を行った。 | | | |