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平成13年度シンポジウム 分子複合系の構築と機能  80-80
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新規円筒状パイ電子系およびその遷移金属錯体の合成と性質
桑谷 善之1), 吉田 忠浩1), 五十嵐 順一1), 伊与田 正彦1)
1) 都立大
環状フェナセン1はベルト状共役系化合物であり、フラーレン類やカーボンナノチューブ類の部分構造に相当する共役系を含んでいる。従って非平面の共役系に由来する酸化還元系としての性質や、特異な分子構造に基づくホスト-ゲスト化学·分子間相互作用などに興味がもたれる。特に空孔内に金属イオンを可逆的に取り込む可能性があり、金属内包フラーレンのオープンケージとして興味深い。最近我々は1の合成前駆体としてall-Z-[n]ベンゾ[4n]アヌレン2を設計し、その合成について検討した。2は大環状共役系としての性質は期待できないが、π電子に囲まれた空孔を持つと予想されたので、その分子構造を調べるとともにソフトな重金属イオンとの相互作用についても検討した。その結果いくつかの金属錯体が得られ、その構造に関する知見を得たのでここに報告する。

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