JST200217 : 平成１３年度シンポジウム分子複合系の構築と機能 72-72

耐久性キラルルイス酸触媒を用いるニトロメタンの共役付加-デュアル活性化法

伊藤謙之介¹⁾, 金政修司¹⁾

1) 九大学機能

アクセプターとドナー分子とを、それぞれルイス酸触媒とルイス塩基触媒とで別々に活性化する「デュアル活性化法によるニトロメタンの触媒的不斉Michael付加反応」を報告する。この新手法はキラルルイス酸触媒が、ルイス塩基触媒と配位性求核剤の配位による触媒の不活性化を避けつつ、バックグランド反応の影響を相殺しながら、求電子剤を如何にして活性化できるかが成否の鍵をにぎる。我々は以前の研究から、R,R-ジベンゾフラン-4,6-ジイル-2,2'-ビス(4-フェニルオキサゾリン)(R,R-DBFOX/Ph)のニッケル(II)アクア錯体が、錯体触媒の会合を起こしにくく、種々の強求核性や強配位性試薬の配位による触媒の不活性化が生じにくいことを見い出していたので、このニッケルアクア錯体触媒を用いたデュアル活性化法を検討した。