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平成13年度シンポジウム 分子複合系の構築と機能  70-70
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キラルなサレンチタン錯体と過酸化水素を用いるスルフィドの触媒的不斉酸化反応
斉藤 文内1), 香月 勗1)
1) 九大院理
キラルなスルホキシドは、天然物中に見出されているほか、不斉補助剤としても有機合成上非常に有用である。このため、その効率的な合成法の開発に向けて活発な研究が行われている。既に我々は、キラルなビナフチル骨格を有する第二世代サレンマンガン錯体がスルフィドの触媒的不斉酸化反応において高エナンチオ選択性を示すことを報告している。しかし、この反応は共酸化剤として原子効率の低いヨードシルベンゼンを用いる必要がある。一方、原子効率の高い過酸化水素を共酸化剤として用いるスルフィドの触媒的不斉酸化反応の報告がいくつかなされているが、いずれの方法も不斉収率が不十分であり、かつ基質の適用範囲に限りがあるなど改善の余地がある。そこで今回我々は、第二世代サレン配位子の高い不斉誘起能とチタンイオンが過酸化物を活性化する性質に着目し、キラルなサレンチタン錯体と過酸化水素を用いるスルフィドの触媒的不斉酸化反応の検討を行った。

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