JST200217 : 平成１３年度シンポジウム分子複合系の構築と機能 70-70

キラルなサレンルテニウム錯体を用いる触媒的不斉スルフィミド化反応

村上正和¹⁾, 内田竜也¹⁾, 香月勗¹⁾

1) 九大院理

キラルなスルフィミドは、キラルなスルフォキシドと同様に不斉補助剤さらには不斉配位子としての有用性が期待されており、その効率的な不斉合成法の開発が求められている。最近有用なジアステレオ選択的合成法が開発されつつあるが、スルフィドのエナンチオ選択的な触媒的イミド化には選択性の向上やイミド化剤の選択などに関していくつかの改良すべき点がある。我々はこれまでに、キラルなサレンマンガン錯体を触媒に用いて不斉スルフィミド化で良好なエナンチオ選択性を達成することができた。しかしこの反応では、イミド化剤として原子効率の低いPhI=NTsを用いる必要があること、至適触媒が基質上の置換基の性質に大きく依存すること等、解決すべき課題を残していた。