JST200217 : 平成１３年度シンポジウム分子複合系の構築と機能 65-65

カテキンオリゴマーの合成研究

牛丸尚子¹⁾²⁾, 大森建¹⁾²⁾, 鈴木啓介¹⁾²⁾

1) 東工大院理工
2) CREST

フラボン系ポリフェノール類は古くから人々の生活に密接に関ってきたが、最近その生理活性があらためて注目されている。しかし、これらはいわゆる”ポリフェノール”として分子量分布を持つ混合物として取り扱われ、個々の化合物の化学的な性質や生理活性等は不明である。今回、我々はカテキンを構成単位とするオリゴマーIの合成法について研究を行った。基本方針としては、糖鎖合成からの類推から「オルトゴナル合成」の概念を採用した。すなわち、異なる条件下で活性化可能なカテキン供与体A,Bをそれぞれ合成し、これらを用いてカテキン単位を順次伸長していく計画を立てた。なお、分子力場計算の結果から、Iは6ユニットで一周期を成す螺旋構造をとることが示唆されている。