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平成13年度シンポジウム 分子複合系の構築と機能  61-61
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Terpendole類の合成研究
内田 佳奈子1), 桑嶋 功1)
1) 北里大·生命科学研
Terpendole A(1)は1994年、糸状菌FO-2546より単離された化合物であり、強力なACAT(acyl-CoA:cholesterol acyltransferase)阻害活性を示す。下記のように分子の右側部分が高度に酸素官能基化されたインドールジテルペン骨格を有し、その大部分の相対立体配置は、同時に単離された類縁体Terpendole C(2)のNOE実験およびX線結晶解析により決定されている。しかしながら右末端のエポキシ部分の立体、および絶対立体配置は未だ不明であることから、我々は合成的にこれらの立体配置を明らかにすべく、下記のような合成ルートに従いTerpendole類の光学活性体合成に着手した。すなわち、Hajos-Wiechertケトン(R)-3より出発し、4炭素増炭した3環性エノン4を経てエノールアセタート5へと変化する。これとo-ブロモアニリン誘導体6とのカップリング反応を用いてインドール部分を構築した後、さらに右側に炭素骨格を延長しながら合成する計画である。現在、3環性骨格の構築を完了し、インドール合成を試みている。

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