| 膝関節靱帯再建用、生体腱のリン酸カルシウムコーティングシステムの開発
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| 坂根 正孝1), 六崎 裕高2), 田中 忍2), 宮永 豊2), 下條 仁士2), 田中 順三3), 山口 勇4), 岡 洋一4), 横山 能周5), 太田 邦博6) |
| 1) 茨城県立医療大学 2) 筑波大学 3) 物質·材料研究機構 4) 多木化学(株) 5) エスコム(株) 6) タマチ工業(株) |
| | スポーツ活動に伴う膝前十字靱帯(以下ACL)損傷の発生頻度は高い。再建材料は自家組織が一般的であり、骨付き膝蓋靱帯を用いる方法(BTB法)と半腱様筋腱および薄筋腱を多重折りする方法(STG法)の二種類が主である。STG法は、合併症は比較的少ないが、腱を骨に固定するため修復に要する期間は長くかかる。そのため、リハビリやスポーツ復帰の遅延や、晩期には骨孔拡大による移植腱のゆるみが生じることが懸念され、移植片と骨孔全体を強固で短期間に固定する方法については改善の余地が残されている。1999年、Taguchiらにより考案された交互浸漬法を生体軟組織に応用し、家兎の長趾屈筋腱にリン酸カルシウム化合物を複合化することに成功した。また、同様にビーグル犬を用いた関節外腱固定モデルを用い、組織評価で4週という早い段階で移植腱と骨孔間に線維性の介在物なしの直接固着が認められた。 | | | |