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平成13年度シンポジウム 分子複合系の構築と機能  43-43
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超高速近接場光熱変換顕微鏡の構築と分子チューブ内ナノ空間化学計測
藤浪 眞紀1)2), 澤田 大祐1), 由井 宏治2), 澤田 嗣郎1)2)
1) 東大院·新領域
2) 科技団·CREST
当研究グループでは光励起に伴う屈折率の変化を用いて分子の超高速ダイナミクスや超高感度分析を行う光熱変換分光法を開発してきた。本手法は非発光性の分子も計測できる汎用性の高さや、レーザー光を用いた非破壊·非接触·in situ高感度計測が可能である点が特徴である。現在我々はこの手法をナノ空間における化学計測法へ発展させることを試みている。現在までに、光熱変換分光法のひとつである超高速過渡レンズ分光法を用いて、シクロデキストリンに閉じ込められた色素分子や、逆ミセル中ナノ空間での水分子の特異な分子挙動を見出している。今回我々は分子ナノチューブ内における分子のダイナミクスやチューブ内の溶媒環境を計測·評価するために本分光法を適用することを試みた。各種の分子チューブ内に包接された分子の存在量やダイナミクスは、一つ一つのチューブによって異なることが予想され、その差異を明らかにするためには単一チューブに対する計測技術が必要である。走査型近接場光学顕微鏡(SNOM)は空間分解能が100nm以下であり、パルスレーザーを用いて時間分解計測も可能であることから、SNOMに超高速光熱変換分光法を組み合わせることは有効な手法と考えられる。そこで我々は、光熱変換分光法をSNOM計測法と組み合わせた装置を試作した。

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