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平成13年度シンポジウム 分子複合系の構築と機能  41-41
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STM·AFMを用いたらせん高分子の高解像度観察
國武 雅司1), 江渡 進1), 大平 昭博1)
1) 熊本大
“らせん”構造は高分子がとりうる最も重要で興味深い構造のひとつである。近年、核酸、たんぱく質、多糖等の生体高分子などに留まらず、これらに匹敵する精密に構造制御されたらせん高分子が合成され、構造と物性·機能の相関について詳細な研究が行われている。また、高分子は溶媒の種類や温度変化により会合(凝集)するが、特にらせん高分子の会合挙動6)·形態は、高次構造の制御という観点から関心が持たれている。通常、単一分子鎖あるいは会合形態に関しては、UV、CDのスペクトル、静的·動的光散乱や理論計算等から集団平均として検討されているが、個々の構造についての詳細な情報は得られていない。そこで本研究ではらせん高分子の微視構造の直接観察として、特に単一高分子鎖の剛直性、らせんの巻き性、ピッチ(規則性)、分子内の欠陥構造(helix-reversal)の直接観察及びらせん高分子の会合形態の直接観察を目標として研究を行っている。微視構造の視覚的な理解は物性理論に大きな進展を付与することが期待され、実験的アプローチの成果を理論的考察にフィードバックできることが期待される。

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