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内分泌かく乱物質 第1回 領域シンポジウム  13-20
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生殖腺の性分化
—精巣と卵巣の構築を支える役者達

諸橋 憲一郎1)
1) 岡崎国立共同研究機構 基礎生物学研究所
性の分化が最も顕著に認められるのは生殖腺(精巣と卵巣)や付属生殖器官であるが, 実は性の分化は体全体に見ることが出来る。各種組織の機能や脳の性分化に依存した性行動などはその一例である。このような個体全体におよぶ性分化とはいかにして作り出されるものであろうか? 一般に個体の性は受精時に決まる。哺乳類では受精卵の性染色体の構成がXYであれば雄, XXであれば雌となるが、このステップを遺伝的性決定と呼ぶ。動物種を広く眺めると異型の性染色体を有する動物種ばかりでなく, 性染色体の存在が不明とされる多くの動物種も存在するが, これらの動物種においても基本的には遺伝的性が性決定の基本であると考えて良いと推測される。遺伝的性決定の後に進行するのが生殖腺の性分化である。生殖腺は性ホルモンの作用を通じ, 脳の性分化を含む個体の性分化を支配しているため, 極めて重要であると考えられる。

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