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戦略的基礎研究推進事業 平成7年度採択研究課題 研究終了報告  819-826
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都市ヒートアイランドの計測制御システム
久保 幸夫1), 三上 岳彦2)
1) 元慶應義塾大学環境情報学部
2) 東京都立大学大学院理学研究科
本研究は、都市における熱汚染の緩和を目的とし、都市熱環境、特に都市ヒートアイランド(UHI)の計測と制御に関するシステムを開発しようとするものである。
近年、人口の集中する都市部が郊外に較べて高温になるヒートアイランド現象が顕著になっている。都市の高温化は、都市生活を不快にするだけでなく、熱帯·亜熱帯の諸都市では夏季の空調利用増によってエネルギー消費量が増えるためさらに高温化が促進されるという悪純化を発生させている。
ヒートアイランドの原因としては、人工排熱の増加と地表面被覆の人工化に加えて、緑地や水面の減少による蒸発散量の減少や、沿岸地帯の埋め立てによる海風侵入効果の低下など、いくつかの要因が複合している。しかも、こうしたヒートアイランド現象は、中高緯度に位置する欧米よりも、比較的低緯度に多くの都市があるアジアにおいて深刻な問題を生じていると考えられる。しかし、アジアの諸都市におけるヒートアイランドの実態については不明な点が多く、その緩和策に関してもほとんど研究がなされていない。
ヒートアイランドを緩和することは、温暖化の防止、エネルギー利用の削減、生活環境の改善などの意味からも有意義であるが、その実現は容易でない。具体的な方策としては、生活レベルでのエネルギー消費量抑制、都市構造の改良、産業の低エネルギー消費化と分散などが考えられるが、本研究では、土地利用を中心とする都市構造の改良によるヒートアイランドの緩和を目指す。

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