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戦略的基礎研究推進事業 平成7年度採択研究課題 研究終了報告  805-817
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自立都市をめざした都市代謝システムの開発
柏木 孝夫1)
1) 東京農工大学大学院工学研究科
先進国, 発展途上国を問わず, 人口は都市部に集中する傾向をみせている. また, 日本におけるエネルギー消費の経年的動向をみると, 石油ショック以後産業部門の消費量が横ばい傾向であるのに対し, 民生部門, 運輸部門の消費量は単調増加の傾向を保っている. このことから, 今後のエネルギー消費や環境負荷排出の中心は都市部になると予想され, 都市を環境調和型に移行させることが大きな課題と考えられる.
一方, 近年コージェネレーション, ゴミ発電, 地域熱供給, 太陽光発電などの省エネ/新エネ技術が広まりつつあるだけでなく, 廃棄物リサイクルを支援する技術, ハイブリッド自動車などの低公害自動車の導入されてきている. これらの様々な技術を合理的に組み合わせるとともに, 道路などのインフラ整備と合わせて効果的に実現するためには, 従来の縦割り型の分野別計画立案手法では十分ではなく, 分野横断的な計画手法が必要となる.
そこで, 本研究ではこれらの課題解決をめざし次の点を目的とした.
1. 環境低負荷型都市を構築するための省エネ/省資源的要素技術の開発
2. 環境負荷特性を把握するためのシミュレーション手法の開発
3. 環境低負荷型都市の計画立案を支援する都市シミュレータの開発
都市シミュレータはGISデータベースを基盤としてシミュレーションモデルを統合化するとともに, 個別要素技術開発で得られた性能をパラメータとして組み込んだものである. 都市シミュレータは様々な都市計画要素(土地利用の変更, 道路整備, 緑地整備など)に対応して環境負荷を出力し, その結果をみて繰返し政策を変更しながら, 都市計画担当者がインターラクティブに望ましい政策を見い出す支援機能を実現するものである. 本研究では個別の要素技術やシステムのあり方に加え, 最終的なアウトプットとして都市シミュレータをコンピュータ上に実現することを目標とした.

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