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戦略的基礎研究推進事業 平成7年度採択研究課題 研究終了報告  691-712
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脳神経系を構成する細胞の多様性の形成機構
岡野 栄之1)
1) 大阪大学大学院医学系研究科
(基本構想) 脳·神経系の高次機能が、脳·神経系を構成する細胞集団の多様性に立脚していることは言うまでもない。本研究は、脳·神経系の高次機能の基盤となる細胞の多様性の形成機構を、既存の技術をさらに高度に統合した形で駆使し、また独創的、新規的な技術をも開発しつつ、戦略的に解明することを目的とする。神経発生の初期過程を制御する遺伝子産物が、無脊椎動物から脊椎動物まで広く保存されていることを利用し、ショウジョウバエの神経発生過程における細胞の運命決定を制御する遺伝子産物を同定·解析することをスタート·ポイントとする。次に、ショウジョウバエで同定された遺伝子産物の哺乳類相同分子を単離しその機能解析を行う。機能解析の手段としては、哺乳類胎児終脳から樹立した培養細胞株や初代培養系への遺伝子導入、発現の調節のためのin vitroの系、トランスジェニックマウスやノックアウトマウス作成による個体レベルでの詳細な解析を用い、最終的には、哺乳類脳神経系を構成する細胞の多様性形成のメカニズムを明らかにしたいと考え研究に取り組んできた。また、このような神経発生の研究から得られる基本的知見を、近い将来神経変性疾患の治療法開発へと応用する方向で研究を進めてきた。

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