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戦略的基礎研究推進事業 平成7年度採択研究課題 研究終了報告  345-364
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配列したミクロ空間での新物質系の創製と物性
寺崎 治1)
1) 東北大学大学院理学研究科
[基本構想] ナノメートルスケールの構造を持った物質には量子力学的効果が顕著に現れ、基礎·応用の両面で興味が持たれている。ゼオライト中のカリウムクラスターが強磁性を示すことを既に発見し、注目を集めた。ゼオライト等のミクロ多孔体が持つナノメートルの空間を利用すると、空間次元の選択、基本的な構造を維持したままクラスターの電子濃度や相互作用の種類と大きさを制御出来る。そこに新しい物性を出現する配列したクラスターを作製して、その構造解析·評価と諸物性を測定する。
この研究を以下の3本柱で進める。
1.ゼオライトを中心としたミクロ空間として良質な結晶を利用して、配列したクラスターを作製(合成)
2.それら複合系の構造解析と評価(構造解析)
3.配列したクラスターの物性研究(物性)
2は特に、ゼオライト結晶の構造解析·評価には高分解能電子顕微鏡(HREM)による研究が極めて有力であり、それを推進する。3は、ゼオライト中のアルカリ金属クラスターに関する研究を中心としながらも、その他のクラスター新物質の創製と新しい物性研究についても展開する。ゼオライトなどが形成する空間の幾何学は周期的極小曲面で良く表現でき、この曲面は自己組織化や生体脂質膜の構造と機能の関係で興味が持たれ、ゼオライトの”容器”の役割にも示唆的である。全体として、新しい物質系の創製、その物性の基本的理解、バルク凝縮系の理解へのフィードバック、更に未知の領域へと挑戦する。
この基本構想の下に研究を進めた。

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