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戦略的基礎研究推進事業 平成7年度採択研究課題 研究終了報告  329-343
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自己組織性分子を用いた新規発光機能材料の設計
筒井 哲夫1)
1) 九州大学総合理工学研究院
平成7年の研究提案の時点では世界最初の有機ELディスプレイが実用化直前の情勢であり、有機エレクトロルミネッセンス(EL)に関する科学技術はまさに開花寸前であった。有機薄膜を数層積層した約100ナノメートルの膜厚の超薄膜に一対の電極を取り付けた極めて単純な構造のデバイスに10V以下の直流電圧で電流を注入することで高輝度の面状発光が取り出せることは大きな驚きであり、研究者に取っては有機化合物を用いた本格的なエレクトロニクスが展開できるという確信を深めた時期でもあった。我々はそのような状況の中で基礎研究としての有機発光材料·デバイス並びに有機エレクトロニクス全般をどの方向に展開するかという観点から研究提案を行った。フラットパネルディスプレイとしての有機ELに直接関係する開発研究は企業の研究者が主体となる技術開発であり、大学等の研究者が主体的に取り組む戦略的基礎研究ではもはやあり得ないとの立場から、我々の戦略目標としては、単なる高性能の発光ディスプレイ開発を指向するのではなく、分子性材料の発光機能を全面的に開花させ、新しいエレクトロニクス·フォトニクス材料としての体系を構築することであると考えた。

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